美穂-432
麻由美が美穂と逢ったのは、たった3日前のこと。
新人が、初日に着る赤いチャイナドレスが、とっても似合っていたのを覚えている。
初日が館の開設には予期していなかった自殺騒動の夜で、美穂は、事態の鎮圧に一肌脱いで‥いや、女の魅力を見せつけて、自殺を思いとどませた‥
警備隊長として、「男から女を守る」発想では、防ぎ切れずに大騒ぎになっていた可能性が高い場面を、見事に防いでくれた。
麻由美も外見が魅力的な女性を何人も知っているが、美穂の様に無邪気で素直な内面を持つ女に出会ったのは初めての事であった。