美穂-327
また、逝った。おとなしく逝っていた今までとは違い、自ら胸を反らしたり、腰を跳ね上げたりと…恥じらいをかなぐり捨てて逝った。
(こんな姿を私に晒すのは、気を許したからに違いないはず…)
明日以降、しばらくは葬儀で逢えないが、今から、逢える日が待ち遠しくなる。
(単純に女を抱いたのは、いつだろう…まだ、この世界に入る前だな…)
ぐったりとして、眼を閉じ息を整えている美穂が、眼をあけ腕を掴んでくる。
「ちゃんと抱いてもらえますか…」
『美穂が望むのであれば、特別に抱いてもかまわない。が、ひとつ守って欲しいことがある』
「はい。私にできる事ならば、何でもいたします。」