美穂-346
一時は固まったまま動けなかった美穂も、"麻縄の香り"に誘われて、無意識に道具部屋とも言える部屋に入っていた。
よく見ると、麻縄だけではなく、太くて長い鞭やバラ鞭に手のひらの倍の平らな物までが、壁に吊り下げてあった。
奥の壁には、牢獄を想わせる太い木の組み合わせや端には畳一畳分の板の間に太い柱が立てられている。
(天井が薄暗いわ…)
剥き出しの天井には、鎖が幾つも垂れ下がっていた。
ここは、"緊縛moon"の部屋の造りと同じだわ…調教部屋がマンションの一室にあるので驚くと共に、この部屋で"責められたい"と、素直に願ってもいた。
かなり興奮したまま、隣りの部屋を覗くと、セミダブルと思えるベットがあり、しかし、使用感のない…ゲストルームと思える部屋があった。