知子-11
オレンジ色のランプが点いているので、作動しているはずだ。
田嶋にしてみれば、ステージや座敷で客の前で女を縛る事を副業にしている事でもあり、さしたる問題はなかった。
むしろ逆に、きっちりと縛りあげたうえで、知子を責め抜き…縄心を知らぬ主さんにも楽しんでもらわなくては、こんなに立派な部屋を利用するので、申し訳ないと思っていた。
『冷蔵庫に冷えたビールは、あるか…』
「わぁい、ぐおざいあふぅ」
返事をしながら、顔を数回頷かせた。
冷蔵庫に向かいながら、部屋の様子をさりげなく観察して、キッチンへ着くと、手を洗いながらも見渡した。
天井の隅や照明周りは、どこもスッキリしていて、覗きの仕掛けはない様に思えた。