茉莉-5
(わたしって、痴女だわ~)
そう思うと、ますます気持ちは昂ぶった。
茉莉の降りる駅までは後2つ、反対側のドアが開き、またどっと人が乗ってきた。この駅はいつもそうだ。茉莉は背後の男ともども、扉に押し付けられた。
(えっ、うそっ…)
男は、ぎゅっと押されるその瞬間を待っていたかのように茉莉のスカートを大きくたくし上げ、両手を強引に茉莉の太股の間に差し入れ、パンストのその部分を破ったのだ。
左右に広げた裂け目から直接、指を茉莉の秘部に迫ってきた。これには、茉莉も驚いた。あわてて、何とか逃れようとしたが、体の前で、脱いだジャケットとバッグをかかえたまま両手を電車の扉に強く押し付けられ、動かすことができない。
お尻をひねるようにしてみたが、混んでいてそれも思うように果たせない。
男の指が侵入してきて、一瞬止った。
(あぁ、だめ、わかっちゃう)
茉莉は、淫部を無毛していて、さらにグッショリ濡れていることを知られことが、急に恥ずかしくなり、顔を赤らめていた。
(ご主人様を縋る様に思い出したが、薄笑いの顔が浮かび上がり、喜ばれている様に感じとっていた)
(「この女、感じてやがる…痴漢にいじられて感じる破廉恥な女だ」……きっと、そう思われてる)
茉莉は恥ずかしさで赤くなった顔を上げていられずに、下を向いて唇を噛み締めた。口を開けば自らの妄想に淫らな声を上げてしまいそうだ。
男は、侵入しているのとは別の指で、今度はクリトリスの付近を撫で始める。
今の状態でそんなところを触られたら、絶対に耐えられない。
茉莉は反射的に腰を前に突き出すようにして、男の手から逃れようとするが、思うように身動きさえ出来ず、ついに男の指がクリトリスを刺激し始めた。
(あぁ、だめぇ…おねがい…もうしないでぇ…)
心の中で懇願するが、男はそのまま秘肉とクリトリスを刺激し続ける。もう茉莉の頭の中は真っ白になっていた。
こんな大勢いる中で、それも痴漢されて感じてしまう被虐的な官能に、今まで味わったことのないほどの興奮を覚えて、ついに茉莉は絶頂を迎えてしまった。
「うぐっ」
必死で声を殺した。それが茉莉にできたせいいっぱいのことだった。と、同時に茉莉の前の扉が開いた。
後ろから押されるように茉莉は、ホームにはじきだされた。
つづく