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SM小説-31

美穂は無意識のうちに路地を曲がり、ラブホテルのネオンが
眩しい中を腕を組んで歩く聡達の追った。

(私の勘違いよね…聡…貴方…姉さんを裏切ったりしないわよね)

美穂は祈る思いを心の中で呟きながら、人ごみにまみれて聡達の後を追った。

(ま…さか…)

あと数メートルでホテル街を抜けようとしたその瞬間、聡は
連れの女の子に腕を引っ張られるように、一軒のラブホテルへ消えた。

美穂はラブホテルへ消えた聡達を追う事も出来ず、しばらく
その場で呆然と立ち尽くしていた。

「…よぉ~~おねぇちゃ~~ん、一緒に飲みにいかな~い」

美穂は、7時前だというのに既に完全に出来上がった中年のサラリーマン風の
二人組の声に我に返り、その場から逃げるように自宅へ走った。

帰宅後、美穂はしばらく部屋の電気もつけずに一人ダイニングに座り、聡への
想いに踏ん切りをつけようと物思いに耽っていた。
(私…何で聡の彼女に嫉妬なんかしてるの…)

美穂は、胸が締め付けられるような切ない想いに襲われながらも、聡の行動を
受け入れようとした。
(聡がこういう体験をしても恥をかかないように性教育したんだもの)
美穂はそう自分に言い聞かせながら、夕食の準備にかかると、程なく聡が帰宅した。

『…ただいま~…』

「…あ…あぁ…お…お帰り…聡…遅かったのね…」

『ん?…う…うん…ちょっと…ね…』

「…姉さん…今日ちょっと食欲ないんだ…先に寝るね…」

『…えっ!…先に…寝ちゃうの…』

「…食べ終わったら、食器は流しに片付けといてね…」

『…あ…あぁ…』

「…それと…今日から、姉さん…あっちの部屋で寝るから…」

『…な…何でだよ…姉さん…今日もいつものように…』

「…もうだめなの…この方がいいの…聡の為にも…」


美穂は自然と強い口調になっている自分に気づきながらもそれを抑える
事ができず、聡を避けるかのように奥の部屋に消えていった。
 
美穂は風呂場の向かい側にある洋室に布団を敷き横になっていたが、なかなか
寝付けないでいた。薄い洋室の扉からは、ダイニングで食事を済ませた聡の様子が
物音だけで手に取るように解った。
(…早くお風呂に入りなさいよ…この家の中で他の女の匂いなんてさせないで…)

美穂は聡に対して、姉でもなく、母親の代りでもなく、一人の女として嫉妬していた。

つづく

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お世話さまでした

鍵コメさま

ご指摘、ありがとうございました。

注意はしてたのに、お見苦しいエントリーで、申し訳ありませんでした。

パソコンからのエントリーが不慣れな未熟者って、笑って下さい(^_^;)

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Author:まこと
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 隠している性癖を
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☆性別:優しさもそなえるS男
☆所在地:東京
☆趣味:スポーツ観戦
☆年齢:半世紀+αを生きている
☆願望:晩年を共に歩むMな
    女性を探索中
☆近況:福島の赴任先から
    エロいブログ巡りで…

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