茉莉-8
『電車の中で、見てたのよ。あなた、痴漢されてたでしょう~』
(やだ、あの電車の中での痴漢に逝かされたところを、見られてたの?)
茉莉は、恥ずかしさがさらに、こみあげてきた。悪い事をしてたこを、とがめられている子供のように、ただ黙った。
『けっこう、感じてたみたいよね。好きなの? そしたら、今度は映画館に行って、オナニー始めるし…、こっちがびっくりしちゃった。そういう人って本当にいるんだぁ~。AVの中だけの話だと思ってた。好きなんだねぇ~』
茉莉は、顔を上げて、運転手のほうをチラッと見た。
聞かれてるっていうか、聞こえないはずがない。もうぜったいに顔を上げられない。
茉莉は、さらにうつむいて固まってしまった。
『あっ、その先でとめて。』
真希は、タクシーを止めた。真希に続いて茉莉も降りようと、体を折り曲げ車から出ようとした時、開いたドアの内側に立っていた真希は右足のひざを茉莉のおなかにもってきて茉莉の腰を抱えた。
『サービスよっ』
と言うと、真希はまた茉莉のスカートをまくった。真っ白で豊かな双丘が運転手の目の前にあらわになった。
「やっあぁ…」
なぜか、もう茉莉は真希にあらがえなくなっていた。